ワーキング・ホリデイが2年まで延長できるようになったり、特定のコースに行くと卒業後、永住権を申請することができたり、最近の留学事情はつい5年前と比べても変わってきている。私の仕事は毎日多くのワーホリ、学生の方とお会いするが、今の学生の現状や彼らの今後の予定などを知りたい! と思い、100人以上の方にアンケートをとってみた。その結果、どんなに留学生を取り巻く環境が変わっても今も昔も変わらず、みんなの関心や不安、そして期待は「帰国後の自分」の姿のようだ。
私自身がかかわっている留学アドヴァイザーの資格を取得したいと希望する人も年々増えてきている。受講者の中には児童英語教師の資格(J-shine)を取得してる人も多く、英語だけではなく、何か持って帰りたいという人が多いのだろうなと実感させられる。 前回の留学アドヴァイザー資格を高得点で合格し、J-shine を取得して帰国した純子さんの姿を追い、資格についてや日本での帰国後の様子を聞いてみた。
資格について心に残ってることを教えてください。
「児童英語教師の資格を取得しようと思ったきっかけは、『子供が好きだったから』というよくある動機からでした。しかし、学んでいくうちにもっと深く、英語を学ぶ楽しさや子供への英語教育のあり方を真剣に考えるようになりました。チームワークで行う授業も多く、人のアイディアに驚いたり、自分の想像力もアップすることができ、勉強自体はハードだったので、つらいこともありましたが、その分クラスメイトと励まし合ったことで深い友情が芽生えたと思います。そして何よりこの勉強をしたことによって、教える立場として自信が持てました。留学アドヴァイザー資格のための講座は3 週間という期間でしたが、その間にまさに自分の意識が変わったことを覚えてます。留学を通じ何を自分が学んだか、それを習得できたか、そしてどう生かせるかをじっくりと考えました。この講座がなければこうして考えることはなかったかと思います。留学の終了間際でしたので、よい反省と振り返りができました」
日本の社会では留学帰国者への印象はどのようですか?
「私の周りの人たちは、留学を決意した勇気や取った資格をスゴイと褒めてくださいます。ただ、日本の社会となると留学人口が多いため、英語を必要とされる職種に就職するには、留学しただけではよほど会話力がないと評価が低く、就職は難しいのではと思われます。私の重要視する異文化体験というものに、残念ですが日本の社会はまだまだ重きを置いてないのが現状のようで、そのため資格やTOEIC の点数などで誰が見ても分かる自分の成果を手にして帰国することの重要性を感じます」
実際、日本に帰っている純子さんの意見はとても納得させられますね。では今後帰国前に何か資格をと思ってる人たちにアドヴァイスをお願いします。
「資格を取る過程で学んだことは、一生の宝物です。資格は自分への頑張ったご褒美に与えられるものではないでしょうか。資格を取ってそれで終わりではないので、私は世界が広がり、いろんな考えを持てるようになりました。知り合えた人々も、これからの自分を支える力となります。留学したことを形にするためにも、ぜひ何か資格を取得されることをお勧めします」
純子さんはこの2つ以外にもTOEICのコースにも通い、コーヒー・アートを学ぶため、バリスタのサーティフィケイトも取得した。たくさんの勉強をし、日本に帰国した純子さんだが、実は今現在は働いてない状況だ。なぜなら、シドニーの同じ児童英語教師のコースで勉強していた彼と出会い、結婚式を間近に控えているから。将来は、旦那様と一緒に子供のための英会話教室を開業する予定で留学アドヴァイザーの資格も取得し、コーヒー・アートを学んだのも、将来子供のレッスン中に、お母様たちに美味しいコーヒーを飲んでもらうためだそうだ。純子さんは資格は頑張った人がもらえるご褒美と言っていたが、そんな頑張り屋の純子さんを暖かく見守り、一緒に歩いていくことができるパートナーに資格取得を目指してる最中に出会えたことが、一番の大きなプレゼントかもしれませんね。