「夢はオーストラリアで幼稚園を開園すること。調理師の勉強をしているのはその夢のためなんです。だって、調理師が子供のお昼ご飯を料理するのって、親御さんの立場に立ってみるとすごく安心ですよね」明るく自分の夢を語るまゆみさん。現在まゆみさんは調理師の学校に通い、将来永住権を取得するため頑張っている。
まゆみさんがワーホリでオーストラリアにきたのは1年半前。日本では知的障害者の施設で指導員として6年間働いていた。それまでにケア・マネジャー資格、社会福祉国家資格、保育士、社会福祉主事、と福祉に関する資格はすべて取得し、赤ちゃんから老人までケアできる専門員となっていた。高校の時から発展途上国で子供たちのお世話をしたいと思ってたが、その当時はなかなか親の同意を得られなかった。まゆみさんが6年の指導の仕事を辞め、オーストラリアに来るきっかけになったのは、取得したこれらの資格と知識・経験を踏まえてオーストラリアで生かしていきたいと思ったことに対して、親が6年間のまゆみさんの頑張りと熱意を評価し、認めてくれたことだった。
まゆみさんのオーストラリアでのワーホリ生活は、英語をまず勉強し、その後現地の幼稚園でヴォランティアを続け、最後はオーペアとして家庭で子供の世話をした。このワーホリ期間での経験が彼女に永住権を目指させ、新しい目標をスタートさせるきっかけとなった。オーストラリアに滞在するということだけ考えれば、ファームでピッキングをしてヴィザを延ばすこともできた。しかし年齢も考えて、目先の1年ではなく、将来的な目標を見据え、今始めなければと決意した。
将来永住し、オーストラリアで幼稚園を開園することが今の夢となったまゆみさんだが、なぜオーストラリアを選んだのか?「これからの時代を担う世界中の子供たちの笑顔を守りたいんです。日本だと日本人ばかりだけど、オーストラリアは移民の国だから世界中の子供たちと触れ合うことができるからです」
現在、まゆみさんは将来の夢を叶えるため、今までと違う分野の調理師のコースで頑張ってる。まゆみさんの毎日は忙しい。朝5時起床、学校は7 時からスタート。学校終了後はアルバイトと自分の勉強の時間に充てている。世界中の料理が学べるこのコースは、とっても楽しいが、やはり英語のキャッチ・アップが大変。でも多国籍の生徒たちがまゆみさんを助けてくれ、皆で励まし合いながら勉強をしている。コースの中でもデザートの授業が一番好きなんだそう。なぜなら授業の後、食べられるから。「ハードなスケジュールも自分のやりたいことのためなので、楽しいです。私の周りのワーホリの友達もみんな夢を持ってて、その夢に向かって頑張ってます。だからつらくても楽しいって思えるんです」と言うまゆみさん。
いつも授業で作ったいろんな国の料理を持って、明るくオフィスに訪れるまゆみさんの姿は、スタッフ全員に元気を与えてくれる。まゆみさんにはもう一つ夢がある。両親を世界中好きなところに連れて行ってあげたい!20歳からは完全に経済的にも自立生活を送ってたまゆみさんが、20歳まで育ててくれた親への感謝の気持ちだという。まゆみさんの話を聞いて、私も久しぶりに日本の母に連絡してみようと思った。