「海外留学アドバイザーの資格を取得するとどういうところで働けるんですか?」 留学アドバイザー資格取得のカウンセリングをスタッフがすると、必ず聞かれる質問だそうだ。
帰国前のワーキング・ホリデー・メイカーや学生にとっては一番悩みどころの日本での就職。せっかく留学したからには、できれば英語を使った仕事や海外とかかわりある仕事をしたいというのが本音だろう。留学アドバイザー資格は確かに留学会社といわれる私たちのような仕事をする人にはぜひ取得してほしい資格だが、実際日本では英語学校のスタッフや旅行会社のスタッフの取得率も高いようだ。事実、以前私が取得した際の試験会場では、私以外は英語学校のオーナーや旅行会社のスタッフなどが大半だった。今や“留学産業”は留学代理店だけにとどまらず、英語学校や旅行会社も当然のように留学といういわゆる商品を取り扱っている。そして、英語学校や旅行会社の現場では旅行のような一過性の商品を販売するプロはいても、一人ひとりの目的が違う留学をサポートできる人間が絶対数少なく、これからの時代、留学の知識を持った人が必要となってきている。
シドニーでも留学代理店のスタッフだけではなく、英語学校の多くのスタッフも海外留学アドバイザー資格を取得している。やはり日本から多くの学生を受け入れるに当たっては、例え海外で働いてるとしても日本の留学事情や法律などを勉強する必要があるようだ。シドニー市内の英語学校・専門学校に勤務するToshi さんも、留学アドバイザー資格保持者の一人だ。彼は、留学にかかわっている以上、日本での留学知識全般を知っておく必要があると取得したのだ。実際、Toshiさんのカウンセリングの分かりやすさ、生徒への対応の仕方やサポートには定評があり、日本の多くの留学アドバイザーからもToshiさんが勤める学校で生徒が学ぶことは安心材料のひとつだと言われている。また彼は日本へ出張に行く際に多くの会社がこの資格を保持しており、顧客に対して第三者の立場の留学協会が認証してるということは顧客への安心材料のひとつになるのではと語っている。Toshi さんは英語学校のスタッフということもあり、多くのワーキング・ホリデーの人たちとも触れ合っており、彼らにも帰国する前にこういった資格を取得し、ぜひ日本で活躍してもらいたいと思っている。
最近、為替相場の理由かオーストラリア留学、特に物価が高いと言われるシドニーへの留学が下降気味となってるようだ。しかし、シドニーで留学した多くの若者が自分の体験だけではなく、正しい留学の知識や法律を身に着け、留学の意義や素晴らしさを今後の自分たちの後輩に伝えてくことで、オーストラリア留学というものがもっと活性化されるのではないだろうか。
「3年後、5年後のオーストラリア留学を変えていくのは、今オーストラリアにいるワーホリや学生たちかもしれませんね。そういった意味でも留学やワーホリを形にするために資格取得も一つの手段だと思います。せっかく留学したんだから何か形にし、自分の将来の選択肢を広げてほしい」
英語学校で勤務し、現場で生のワーホリを見ているToshiさんからの応援の一言だった。